運営体制
- 会長
- 武藤裕則 (徳島大学)
- 幹事
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- 山中亮一 (徳島大学)
- 中川頌将 (株式会社基礎建設コンサルタント)
- 桶川博教 (株式会社基礎建設コンサルタント)
徳島県の海岸・河口域における点群データ等の空間情報を継続的に取得し後世に残していくことを念頭に、UAVおよび写真測量によるデータ取得技術の開発ならびに取得データの活用(研究、業務)に関する課題解決を目的とする研究会です。
当研究会は、徳島大学と株式会社基礎建設コンサルタントとの共同研究として、2021年9月に発足しました。
写真 大里海岸(徳島・海陽町 2021.11月 UAV(無人小型航空機:Unmanned Aerial Vehicle)により撮影
2011年3月の東日本大震災では、津波により各地の砂浜が流出する被害が発生しました。その後、砂浜は復元されましたが、場所によっては手掛かりとなる元の地形データが少なく、復興時の課題とされました。
当研究会が活動の拠点としている徳島県においても、昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから70年近く経過しており、今後、南海トラフにおける巨大地震発生の可能性が高まってきています。また、近年は気候変動に伴い、豪雨・高潮等による風水害の激甚化や頻発化も顕著になっており、海岸や河岸の地形の変化、ひいては海岸・河岸を利用する人々の暮らしに及ぼす影響も大きくなってきています。
こうした状況の中、定期的に海岸・河口の地形を正確に保存しておくことが、その地域に適した地形を後世に伝えることに繋がり、さらには、復興計画を考える際の重要な情報源となると考え、当研究会を立ち上げました。
写真 東日本大震災の津波によって砂浜・松林が流出したお伊勢浜(宮城・気仙沼市2011.06月撮影)
写真 Matrice300RTK(DJI社) + ZenmuseP1(DJI社)
徳島県下の海岸・河口において位置精度0.05m程度(水平・鉛直方向とも)の精緻な地形データを取得しています。UAV測量は、従来の定期縦横断測量や、DEM(数値標高モデル)では捉えきれない地形や植生の情報を記録できます。今後、調査対象とする海岸数を増やしつつ、関係者間で共有できるデータベースを構築していく予定です。
写真 作成した地形データ(使用ソフトウェアPIX4Dmapper(PIX4D))
徳島新聞朝刊 2022年5月7日 「南海トラフ地震砂浜流出にそなえ県内の全海岸3Dデータ化