地質・地盤の成り立ちや分布状況・設計上の強度、変状等は、目視では確認できないため、 ほぼ例外なく“地盤の上”で行われるインフラ整備は、様々なリスクや不確実性を内包しています。したがって、地質・地盤調査は、安全かつ経済的にインフラ整備を進める上で非常に重要です。
地形区分上の旧河道や沿岸の埋立地など地下水位が高い場所で発生しやすい液状化や、基礎地盤が軟弱な地域で発生しやすい圧密沈下、山地・丘陵地で発生しやすい斜面崩壊や地すべりなど、地質・地盤に起因する問題は数多くありますが、国土の7割以上が丘陵地・山地であり、居住や経済活動に利用可能な用地が限られている日本では、これらの問題にも柔軟に対応する必要があります。また、気候変動にともない増加傾向にある豪雨や洪水の影響も顕在化しており、地質・地盤調査の重要性は益々高くなっています。
標準貫入試験、各種探査
現地でのボーリング調査により地盤の硬軟や締まり具合を表すN値を求めたり、弾性波や電流などさまざまな物理現象を利用し、非破壊で地盤内部を可視化する物理探査によって地盤の強度や性状を確認します。
海上でのボーリング調査では、弊社が保有するスパット台船を使用することで、潮汐や波浪に影響を回避し、安定した現場稼働率を実現できます。このスパット台船は、東日本大震災の被害により水没し、陸の孤島となってしまった場所でも活躍しました。
室内土質試験
弊社は土質試験機を多数保有しており、室内土質試験全般を自社で実施できます。
このため、設計担当部署と地質調査担当部署と密な連携を図ることができ、一気通貫した合理的な提案が可能です。また、社内での調査結果の共有もスムーズに行うことができ、業務のリーチタイムの縮減にも繋がります。
地盤データベースの作成と共有
地質・地盤調査に関するデータの蓄積は、新たな調査計画立案や設計業務での精度向上だけでなく、事業の手戻り防止や事業費の増大リスクの低減につながります。このため、収集したデータは、可能な限りリアルタイムで共有することが重要です。
弊社では、自社で実施した地質調査の結果をデータベース化し、社内の誰でも参照可能な環境を構築しています。